自律神経失調症の最大の原因はストレス
自律神経失調症のストレスは、心の悩みのような狭い範囲にはおさまりません。
暑さ、寒さ、地震、ケガや事故などは「身体的ストレス」になります。
対人関係などの問題は「精神的ストレス」です。
ストレスはある程度であれば、生活に張りを与えますが、ストレスが大きすぎて、その人の許容範囲を超えてしまうと、自律神経に乱れが生じます。
どの程度のストレスで自律神経が異常をきたすかは個人差があり、もともと体質的に自律神経が敏感な人は、ちょっとしたストレスにも交感神経が反応してしまいます。
ストレスに強いと思っている人でも、ストレスによる体のSOSに気づかないままでいると、ある日突然、心筋梗塞を起こしたりすることがあります。
ときどき自分の心や身体を見つめ直して、ストレスに気づくこと、そしてストレス状態を長引かせないことが重要です。
自律神経失調症の治療法
精神的な要素が大きく関わっているため、治療は心と体の両面から行うのが基本で、そのうえで、更に環境を整えたり、生活を規則的にしたり、ストレスをコントロールします。
治療法も、薬物療法、カウンセリングなどの心理療法、指圧やマッサージといった理学療法、五感に働きかける音楽療法やアロマテラピー、心身をリラックスさせる気功や自立訓練法、家族療法を行ったりと多岐にわたります。
根本的に治すには、自律神経が乱れやすい体質そのものを改善していく必要があります。
心の面では、症状の背後にある悩みや欲求不満、性格の偏りなどに対して、さまざまな方法でアプローチします。
治療法はタイプによって異なる
「本態性自律神経失調症の場合」
「本態性自律神経失調症の場合」は、自律神経調整薬などの薬物療法が中心となります。それに加えて、必要ならば、マッサージや温熱療法など、症状を緩和するための療法を組み合わせます。
「心身症タイプの自律神経失調症の場合」
ストレスを受けてさまざまな症状が出ている「心身症タイプの自律神経失調症の場合」は、心身症ですから、心身医学的な、総合的な治療をします。
症状をやわらげるために何より大事なことは、まず休息をとることです。
そして、いい睡眠がとれて、きちんと食事ができるように、生活のリズムをつけます。
温浴、運動、音楽、アロマテラピー、鍼灸などのあらゆる療法の中から、実行できる療法を選んで行います。
それとともに、呼吸法や自律訓練法、気功などのリラクセーションの方法を身につけます。
神経症型自律神経失調症の場合
神経症型自律神経失調症の場合は、クヨクヨ悩むような本人の性格が病気を引き起こしている面があるので、面接による心理療法が中心になります。
補助的な治療として、抗不安薬などの薬を使います。
抑うつ型自律神経失調症の場合
うつ的な傾向が強くあらわれる抑うつ型自律神経失調症の場合は、うつ病であり、薬がよく効くため、抗うつ薬中心の治療となります。
それに、行動や認知の仕方などを修正します。
治したいという気持ちが大切
治療は、表面に現れている症状を安定させる治療を進めながら、その一方で、背景にあるストレス要因をはっきりさせ、問題に介入していく必要があります。
治療を進めていく上で一番重要なのは、本人自身の自覚です。
自分のどこに問題があってこのような症状があらわれたのか、それを治すにはどうすればいいか、本人自身がそれに気づいて、「治したい」という気持ちを持つことが、大事です。
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