自律神経失調症とはどんな病気か
知名度が高いわりに、今一つ実態が分かりにくいのがこの病気です。
「全身にわたる多様な不定愁訴を訴え、それに基づいてさまざまな検査をしても、異常所見を見いだせない状態」と定義されています。
本人は、いろいろつらい症状に悩まされ、きっとどこかが悪いに違いないと思い、病院を受診します。
しかし、異常は見られず、真剣にとりあってもらえないこともあります。
運よく理解のある医師にめぐりあったり、治療が効果を出し症状が軽くなる人もいます。
自律神経失調症を治すには、患者の体質、生きてきた環境、性格や行動の特性、日々のストレスなど、患者を全体的に捉えて、なぜ症状が起きたのかを推測し、その患者にはどのようなアプローチがふさわしいかを考える必要があります。
これは医師にとって非常に時間とエネルギーを要する作業なので、残念ながら、自律神経失調症の患者に真剣に対処してくれる医師は少なくなってしまうのです。
身体の症状だけでなく精神症状も伴う
大部分の人は、身体の状況に伴って、不安感や憂鬱気分など心の症状も合わせもっているものです。
精神症状は見落とされがちです。医師は、心身両面から情報を聞き出すことが大事です。
自律神経失調症と同じ症状は、がんや心臓病、糖尿病を始めとする重篤な病気の初期症状としてあらわれることもあるので、それを自律神経失調症として、見逃してしまわないようにすることが大切です。
自律神経失調症は必ず治るのか?
この病気は、患者の置かれている立場や、持って生まれた体質、性格などが関与していますから、それらが変わらない限り、いくら治療を続けても良くならないことがあります。
逆に、特に治療をしなくても。。優位の状況・環境が変わり、ストレスがなくなったおかげで、いつの間にか症状が消えてしまうことがあります。
依存性の強い人は、カリスマ性のある医師にすべて任せることで、症状が安定することもあります。
自律神経失調症を放置しておくとどうなるか?
自律神経失調症であれば、病気そのもので死に至ることはありません。
ただし、自律神経失調症の中でも、神経症タイプや心身症タイプの自律神経失調症は、放置すると周りの状況が悪化してどんどん追い込まれ、症状がますますひどくなることがあります。
おかしいと感じたら、早めに心療内科やクリニックを受診する必要があります。
心身症やうつ病、神経症の一環としてあらわれることが多い
一見、自律神経失調症と見られても、検査や問診をしてみると、神経症やうつ病であることが多いです。実際には全く別の病気ということです。
明らかに神経症やうつ病、心身症と診断されれば、それぞれの病気にふさわしい精神科的な治療や、心療内科的治療が行われます。
しかし、軽症で、不定愁訴を前面に出しているような場合には、自律神経失調症と診断されます。
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